韓中日3ヶ国合唱団によるソウル・メサイア ............東京オラトリオ研究会 浜上安司
2002年12月15日、16日の両日、韓国,ソウル国立アートセンター・コンサートホールで行なわれた韓国国立合唱団第100回記念演奏会のヘンデル「メサイア」は、2446席満席の大ホールを揺るがす熱狂的な聴衆の拍手と歓呼に包み込まれ、100回記念にふさわしい感動的な演奏会となりました。この演奏会には、同じ韓国のプロ合唱団・安養市立合唱団の他に中国の青島オペラ合唱団(40名)と日本の東京オラトリオソサイアティー(35名)の二つのアマチュア合唱団が招待されました。合唱団総計は180名。うち100名余がプロ。この他ソプラノソロは台湾から、アルトは日本から内藤明美さんを招聘。オケは韓国交響楽団。指揮は国立合唱団芸術監督の マエストロ・ヨム でした。
私たちは、2001年から韓国オラトリオ合唱団(プロ)と東京とソウルで共演するなど親しい交流をとおして韓国合唱団の圧倒的な声量を体験していますが、今回のプロ合唱団員100名を擁した「メサイア」の、ピアニシモからフォルティシモに至る声のダイナミズムは圧倒的としか表現のしようがなく、加えて伸びやかに透明で輝かしい響きの声に包み込まれ、日本では体感できない至福の「メサイア」体験となりました。
韓国プロ合唱団との親しい交流の輪がさらに拡がるなか、今回の新しい中国の仲間達との出会いは、新たなアジアの合唱の時代の到来を予感させました。中国青島オペラ合唱団は「メサイア」の演奏経験はなかったようで、練習回数僅か5〜6回の猛特訓でソウルに乗り込んできた実力者集団です。パーティー会場で披露してくれた合唱(中国民謡)は圧巻でした。身体は、韓国人より一回り大きく、声は韓国に似て大陸的、声量豊かで美声です。私達とは、ホテルも一緒なら食事も一緒と24時間行動を共にしていたので互いにすっかり親しくなりました。「青島にも是非、来てください、また一緒に歌おう、再見」と、再会を誓いあいました。男も女も、皆いい顔をしていました。
青島オペラ合唱団の指揮者のウ教授(女性)は中国合唱協会常務理事を務める人です。アジアの合唱の未来について先生は「互いの交流をとおして、新しい何かが必ずきっと生まれます。一緒に歌う機会を持ちつづけましょう」と。同感です
左端:韓国の指揮者:ヨム先生、 中国のウ教授 右端:文化庁長官
100回記念にかける韓国国立合唱団の意気込みは、格別なものでした。歓待ぶりにも驚かされました。ホテル代、韓式料理オンパレード食事代、市内交通費、すべてが先方持ちで有り難いことでした。文化庁長官のご来場とパーティーへのご出席、ご挨拶にも熱い思いが覗えました。
3ヶ国合唱団による「メサイア」合同演奏会を同じメンバーで2003年に中国青島で、2004年に東京で実現できないものか。終了に際しての主催者側からの提案でした。
アジアの合唱の新時代へ向けての胎動はかすかな動きを始めたようです。